ウールについて考える

ウール
山頂には雪が積もりはじめ秋から冬へと季節が変わりはじめています。
冬になると着るものも変わり、ウール素材のものを身に着ける人もいるでしょう。
私自身ハイキングなどに出掛けるときは一年中ウール素材のものを着ています。
今回はそのウールについて自分なりの体感や考えを書き留めていこうと思います。



・簡単にウールの種類と特徴

ウールといえば羊の毛を原料とした繊維のことを指すけれど、ラクダ科のアルパカやリャマなども広義としてウールに含まれる。
 
・メリノ
メリノ種はニュージーランド、オーストラリア、フランスで飼育されています。
他の羊毛に比べると繊維が細く柔らかいので肌触りがいい上、伸縮性や弾性があるのが特徴です。
 
・アルパカ
インカ時代以前から家畜として飼育されてきたラクダ科リャマ属の動物で海抜4000mのアンデス山脈に生息。
アルパカは「ワカイヤ種」と「スーリー種」があり、ワカイヤ種はふわっとしてもこもこの毛質でスーリー種はさらさらストレートな毛質。
特徴としては肌触りの良さや光沢感や柔軟性、毛足が長く耐久性があり羊毛の2倍の保温力がある上軽い。
 
・ビクーニャ
アルパカと同じくアンデス地方に生息している。
体毛の太さは10〜14ミクロンと天然繊維の中でも特に細くインカ帝国時代には「神の糸」と呼ばれていた。
ワシントン条約での保護対象や2年に1回の刈り込みで1頭250〜350gの体毛しか得られないので、ビクーニャの毛織物は高級品である。
カシミヤよりも滑らかで柔らかいのが特徴。
 
・カシミヤカシミヤとはインド北部カシミール地方が名前の由来となったカシミヤヤギの毛であり、寒暖差が激しい環境で生息しているため長い毛で覆われていて、下層の産毛は柔らかく細かくなっていて、カシミヤはその産毛の部分を刈っていきます。
なので採取できる量は150gから250gと少ないのでそれが高価な理由のひとつとなっています。
カシミヤの繊維は14〜16ミクロンの細さでありながら空気の層で外からの冷気を遮断し、暖かい空気も外に逃がしません。そして、吸湿性も良いので湿気を吸った際に出る気化熱が暖かさに作用しています。

・ハイキングなどでベースレイヤーとして着る

ハイキングなど汗をよくかくアクティビティのときには速乾性のあるポリエステルなどの化学繊維のものかウール素材のものを着用すると思います。コットンだと吸収性はあるけど乾きが遅いので汗が冷えてしまい低体温に陥ったりするからです。それで今回ベースレイヤーとしてオススメするのがウール素材のものです。

ウールは冬の季節にだけ着る方もいると思いますが、夏でも快適に着ることが出来ます。ウールは夏は涼しく、冬は暖かく適度に温度を調整してくれます。

それは繊維と繊維の間の層に暖かい空気が溜まることで暖かく、夏はその厚い空気の層が厚さを遮断してくれます。熱伝導率も低いため外からの空気の影響が少ないのも理由のひとつです。

夏に涼しく感じるのは、ウールは多量の空気を含むことでその中に湿度を取り込んだり放出したり適度に調整する「気化熱」が発生します。
気化熱を分かりやすく説明すると、風呂上がりに濡れたままでいると体が冷えると思います。それは液体が気体になるときに周囲から熱を吸収します。それが体が冷える原因でウールの素材にも起こるので熱は外へ蒸発するのでひんやりした感じがします。


あと気になるのは汗をかいた後のニオイだと思います。化繊のTシャツだと抗菌加工などを施していても汗をかいたり乾いたりを繰り返しているうちにニオイが気になったりするのですが、ウールは天然素材で免疫作用があり抗菌防臭作用がありますので、登山で数日着ていても服自体のニオイは気にならないと思います。

そういったこともあり、私自身一年中ハイキングなどをするときのベースレイヤーは季節によって薄手や厚手のものと替えながらウールのものを着用します。

・おすすめのメーカー

最後にウールのベースレイヤーなどを展開しているメーカーを紹介していきたいと思います。

smartwool
1994年にアメリカ コロラド州で創業されたメーカー。スマートウールのソックスは有名かと思います。

icebreaker
1995年にニュージランドで創業されたメーカーで自国のメリノウールを使用しています。

山と道
2011年に自身もハイカーである夫婦二人で創業し、ハイキングを通じて感じた本当に必要なものを形にしているメーカー。

モンベル
1975年に創業された日本を代表する登山用品メーカー。

番外編
ibex
私が愛用しているメーカーで以前はA&Fが代理店として日本でも販売されいたアメリカのメーカーで2017年に廃業してしまいましたが、2019年に商品の展開数を縮小して復活しましたが現在は日本で代理店はついていないので、またいつか日本でも販売されるのを心待ちにしています。

今回は私自身が着用しているメーカーを紹介させてもらいましたが、他にもウール商品を扱ったメーはありますので、ご自身に合った商品を探してみて下さい。