長距離自然歩道を歩いてみる

先日歩いた南高尾などの高尾山周辺は関東ふれあいの道として整備されています。
その関東ふれあいの道は長距離自然歩道のひとつなんです。

ということで、今回は長距離自然歩道について書こう思います。




 長距離自然歩道とは

長距離自然歩道とは1970年に東海自然歩道の整備に始まり、各地方にも整備されています。最近では2019年に青森県八戸市から福島県相馬市までの「みちのく潮風トレイル」が全線開通し、現在では10の自然歩道が整備されており総延長距離は約27,000kmにも及んでます。

ちなみに現在整備されている10の自然歩道は、北から北海道自然歩道・東北自然歩道(新奥の細道)・東北太平洋岸自然歩道(みちのく潮風トレイル)・中部北陸自然歩道・首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)・東海自然歩道・近畿自然歩道・中国自然歩道・四国自然歩道(四国のみち)・九州自然歩道(やまびこさん)になります。

関東ふれあいの道 - 「湖のみち」を歩いて

この長距離自然歩道の企画されたのが1969年で、当時は厚生省がアメリカの三大ロングトレイルの1つであるアパラチアン・トレイルを参考にして構想を発表しました。(現在は環境省の管轄
整備管理は各自治体に任されているので場所によっては廃道になったりとしているところもあるみたいで対応は自治体によってまちまちみたいです。

今では日本ロングトレイル協会が設立されていて、そこに加盟しているロングトレイルが日本各地にあるので、日本のロングトレイルの走りと言えるでしょう。

 なぜ長距離自然歩道ができたのか

長距離自然歩道が構想された経緯を環境省などが発表されている資料を参考にまとめてみます。

長距離自然歩道は、国土を縦断、横断又は循環し、多くの人々が四季を通じて手軽に楽しくかつ安全に国土の優れた風景地等を歩くことにより、沿線の豊かな自然環境や自然景観、さらには歴史や文化に触れ、国土や風土を再認識し、併せて自然保護に対する意識を高めることを目的としている。
長距離自然歩道の概要について - 環境省

1954年から1970年代前半までの高度経済成長とともに自然も破壊されていった。それは経済拡大、都市化、人口増加に伴い台地や丘陵にニュータウンが建設されたりと環境問題も深刻化していったことで国民も次第に環境問題に対して意識するようになったことでこのような自然歩道を整備計画されるようになりました。

その高度経済成長の時代に私自身はまだ生まれてないので、自然景観がどのように変わったか分かりませんが、丘陵地帯を歩いていてそこにその時代にできたであろうニュータウンを歩いていると以前はここに森などの自然があったんだろうなと思いながら歩いています。

このようなことから、東京都の高尾から大阪府箕面市までの1,697kmにも及ぶ東海自然歩道が整備され、国定公園に指定される場所も次々と増えていったみたいです。

 長距離自然歩道の魅力

長距離自然歩道の良さって何だろうと考えたときに、長距離自然歩道の概要にも書いてある、「日本の豊かな自然景観を楽しみ且つ歴史や文化にも触れる」ことだと思っています。

3年くらい前からは山だけではなく丘陵も歩くようになりました。旅をすることが好きでたくさんの場所を訪れたいので、山だけではなく丘陵も歩くことでまた違った土地にも行けますし、旅をしながら自然も歩くというスタイルも加えていこうと思ったからです。

長距離自然歩道は全てが自然歩道ではなく舗装路を歩いたりすることもあります。

以前歩いた東海自然歩道(静岡県バイパスコース)の日本平エリアでは、舗装路を歩くことが多かったです。しかし、このコースには日本武尊を主祭神である草薙神社や徳川家康公を祀った久能山東照宮が鎮座しているので、自然歩道を歩いて自然を楽しむよりも歴史を感じて楽しむコースになっています。

草薙神社
久能山東照宮

自然の中を歩く楽しみと史跡を巡る楽しみ方が出来るのが長距離自然歩道の魅力だと思います。

1,000kmや2,000kmにもなる各地方の自然歩道を通しで歩くことはなかなか難しいですけど、歩ける距離を区切って歩くセクションハイクをしてみたりと無理のない計画を立てて、自分なりに楽しいハイキングや史跡めぐりなどをしてみてはどうでしょう。

この日本のロングトレイルを踏破できれば本当にすごいですよね。